約2年前から続く断続的な頭痛と悪心に伴う右股関節と右腹部の痛みの改善例
【患者】30代前半 男性
【主訴】右の股関節が痛い。時々頭痛と吐き気があり、その時右側のお腹と股関節の痛みが強く出る。
【既往歴】―
【現病歴】約2年前から散発的に頭痛と悪心が有る。2年前に近医にて逆流性食道炎と診断を受けたとのこと。約1カ月前から右股関節痛が発症し、特に長時間の座位で痛みが増大する。また、頭痛と悪心が起こる時にも右股関節痛が増大し、右腹部にも痛みが出現する。3カ月前に近医内科で受診した検査では異常無し。
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【現症】来院時は頭痛と悪心は無いが右頭部背側に鈍痛を訴えている。右股関節可動域(以下、ROM)は自動で屈曲約90°で痛みが出現し、座位で右股関節に安静時痛有り。右股関節屈曲動作で右腹部に鈍痛が出現。
【施術と結果】本症例は右股関節痛と、頭痛と悪心に伴う右腹部と右股関節の痛みを訴えており、要因として右股関節の痛みは右上前腸骨棘付近の筋緊張、頭痛と悪心は右頚部全体の筋緊張、右腹部痛は右頚部から右上前腸骨棘までの筋緊張と考えた。
来院時に右頭部背側に鈍痛がある為先ず右頚部背側を触察したところ、第2頚椎高位で中心から右外側へ約1cmの部位に筋緊張を確認した為、筋緊張部位周辺に緩消法を約2分施術し筋弛緩を確認した結果、主観で右頭部背側の鈍痛はほぼ消失したと報告を受けた。
更に右頚部前面にも筋緊張を確認した為、緩消法を約2分施術し筋弛緩を確認。次に右上前腸骨棘付近を触察したところ癒着の様な物を確認した為、緩消法を約10分施術した結果、癒着がはずれたと判断できるほど筋弛緩が確認でき、右股ROMは自動で屈曲約120°まで痛みが消失。座位での安静時痛は10から6(NRS改変)と小さくなった。
更に右上前腸骨棘付近を触察したところ右上前腸骨棘から第10肋骨付近にかけて筋緊張部位を確認した為、緩消法にて約10分弛緩したところ、座位での右股関節の安静時痛は10から3(NRS改変)と小さくなり、主観で右腹部の鈍痛は消失したと報告を受けた。