【患者】70代後半 男性
【主訴】2年前の怪我の後から左膝の痛みが続いている。
【既往歴】左膝蓋骨骨折
【現病歴】約2年前に転倒により左膝蓋骨を骨折した。骨折が治癒後も左膝痛が続き、近医整形外科で痛み止めの薬を処方され飲み続けている。
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【現症】安静時痛はなく、痛みは運動痛のみである。左膝関節可動域制限は他動では認められないが、蹲踞は不可である。ただし、正座は可能である。運動痛が発現する動作は胡坐から立ち上がり時が顕著である。通常の歩行時痛には認められない。痛みは膝蓋靭帯周辺及び、左膝関節外側関節裂隙周辺に発現する。
【施術と結果】本症例は膝蓋骨骨折後の運動痛の残存を訴えているが、痛みの要因として痛みを訴える膝蓋靭帯周辺及び左膝関節外側関節裂隙周辺の筋緊張によるものと考えた。
先ず、痛みを訴える箇所を直接施術する事とし、ご本人に胡坐から立ち上がり時に痛みが発現する箇所を指差ししていただき、左膝関節外側関節裂隙辺りの筋緊張を触察により確認し、緩消法を約1分行い筋弛緩を確認した。その結果、胡坐から立ち上がり時の同箇所の痛みは10から0(NRS改変)と消失した。次に同動作にて痛みが発現する指差ししていただいた膝蓋靭帯周辺の筋緊張を触察により確認し、同箇所に緩消法を約1分行い筋弛緩を確認した。その結果、胡坐から立ち上がり時の痛みは10から0(NRS改変)と消失した。その状態で蹲踞を試みてもらうが、まだ不可であった為、次に施術箇所を左腸骨稜周辺に変更する事にし、痛みが発現していた左膝関節外側関節裂隙辺りの真上に当たる左腸骨稜上縁に触察により筋緊張を確認した為、同箇所に緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した。その結果、蹲踞が可能になり、痛みも発現しなくなった。残り時間は腰痛も訴えていた為、腰部の施術をして終了した。
施術終了後は明らかに足取りも軽く、満足した様子で帰路につかれました。