2年前に発症した右肘内側痛による可動域制限と右上腕の鈍重感の改善例
【患者】80代前半 女性
【主訴】約2年前に新聞、雑誌を括る作業を長時間してから右腕が重く怠く、右肘内側は手を反らしていると痛くないが、まっすぐにしていると痛い
【既往歴】ー
【現病歴】約2年前に新聞、雑誌を紐で括る作業を長時間継続して以来、右腕の鈍重感と右肘掌側に痛みが持続している。
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【現証】自動にて右手関節の関節可動域(以下、ROM)伸展60°で肘関節掌側に痛みはないが、自動伸展ROM0°で痛みが発症。安静時痛はない。右上腕の鈍重感は可動域制限はなく、安静時も鈍重感はある。
【施術と結果】本症例の右上腕の鈍重感と右肘内側の痛みは右上腕と右肘周辺部の筋緊張が要因であると考えた。
まず痛みの訴えのある右肘掌側を触察し、右肘掌側中央部に約2cm筋緊張を確認し、緩消法を約3分行い筋弛緩を確認し結果、自動右手関節ROMは0°で痛みは10から0(NRS改変)と消失した。次に右上腕の鈍重感は右上腕の筋緊張が要因であると考え、上腕二頭筋の肩部より近位約10cmからの周辺部に筋緊張を確認した。
触察で確認した筋緊張部位を母指先端にて約500グラムの押圧したところ痛みの訴えがあり、緩消法を5分行い筋弛緩を確認した。結果、鈍重感は主観により、9割と小さくなった。更に同部位に緩消法を10分行った。筋弛緩を確認し、結果、主観により鈍重感は8割と小さくなった。右上腕の鈍重感は残っているものの、上腕の筋弛緩での鈍重感の改善が少ない為、次に鈍重感の根本要因と考える腰部側面肋骨直下周辺部の筋を触察すると筋緊張が顕著であった。
肋骨直下周辺部の筋緊張を緩める為に腰部側面の筋緊張を先に緩める事で腰部側面の肋骨下部周辺部が緩むと考え、腰部側面に緩消法を10分行い、筋弛緩を確認し、更に肋骨下部で腰部側面周辺部の筋緊張部に緩消法を5分行った。結果、右上腕の鈍重感は主観により、6割と小さくなった。
「腕はまだ重いが、肘の痛みがなく動かしやすくなった。」と報告を受けた。