15分間痙攣し続けた後に残存する右下腿部の歩行時痛が腰部の筋弛緩のみで改善した一例
【患者】60代後半 男性
【主訴】今朝、強烈にふくらはぎをつってから痛みが消えない
【既往歴】糖尿病、高血圧、アトピー性皮膚炎、無呼吸症候群
【現病歴】腰痛施術のために以前から通院していた患者さんであり、来院当日の朝に右下腿部に痙攣が出現し、約15分間痙攣が収まらず激痛に耐えていた。痙攣が収まってから約4時間経過しても右下腿部に痛みが残存している状態で歩行時に痛みがある。腰痛施術で来院予定だったため来院された。
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【現症】歩行時に右下腿部に痛みが出現し、右足関節屈曲、伸展でも痛みが出現するが可動域制限は無く、安静時痛も無い。足関節を屈曲すると右下腿部が再び痙攣が起きてしまうような感覚があるとの事。
【施術と結果】本症例は右下腿部の痙攣後からの歩行時痛を訴えており、痛みの要因を右下腿部の痙攣により起こった筋緊張による物と考え、触察にて右下腿部の筋緊張を確認した。
右足関節を屈曲すると再び痙攣が起きてしまいそうだと訴えているため、右下腿部の筋緊張の要因として腰部の筋緊張が考えられるため、腰部の筋弛緩を行うことで右下腿部の筋弛緩が起こると考え、第4腰椎高位腰部正中から約10cm外側周辺の筋に強い筋緊張を確認し、同部位周辺の筋に約1分緩消法を行い筋弛緩を確認した。その結果、右下腿部の歩行時痛が10から9(NRS改変)に小さくなった。
症状の変化を確認出来たため、さらに同部位周辺の筋に約10分緩消法を行い筋弛緩を確認した。その結果、右下腿部の歩行時痛が10から3(NRS改変)に小さくなった。痛みはまだ残っているが行動に支障が無い痛みまで改善したため、右下腿部には施術を行わずに、残りの時間は腰痛の施術を行い終了した。
帰宅時には右下腿部の歩行時痛が10から1(NRS改変)に小さくなっていると患者さんから喜びの報告を受けた。