事務作業に支障をきたす頚部左側の痛みに関する改善効果
【患者】40代後半 女性
【主訴】頭を傾けたり、振り向いたりすると、首の左側が痛い。
【既往歴】-
【現病歴】パソコンを中心とする事務作業を行いながら、窓口での対応も迫られる。業務中頭部可動時に頚部左側より痛みが発生し、頚部関節可動域(以下、ROM)制限が見受けられる状態になった。
続きを読む
【現症】安静時痛は無いが、頚部ROMは自動で、右回旋約10°・右側屈約10°とROM制限が見受けられ、同時に頚部左側に痛みが発生。
【施術内容・結果】本症例は、頚部左側を触察したところ熱感も無く、目視しても組織損傷が確認できないため、頚部ROM制限と頚部左側周辺の可動時の痛みの要因は頚部周辺の筋緊張によるものと考えた。
触察により、第4頚椎から第6頚椎左側背側に筋緊張を確認。初めに頚部左側の筋緊張部位に緩消法を約1分施術し筋弛緩を確認。結果、頚部可動時の痛みが10から8(NRS改変)と小さくなった事が確認できた為、引き続き同部位に約2分施術し筋弛緩を確認した結果、頚部左側の可動時の痛みが10から6(NRS改変)と小さくなった。この時頚部ROMは自動で、右回旋約20°・右側屈約20°と大きくなったが、同部位に筋緊張が残存するため、引き続き約5分施術。筋弛緩を確認した結果、頚部左側の可動時の痛みが10から3(NRS改変)と小さくなり、頚部ROMは自動で、右回旋約40°・右側屈約30°と大きくなった。頚部ROM制限と可動時の痛みに変化が生じていることから、引き続き同部位に約5分施術し筋弛緩を確認。結果、頚部左側の可動時の痛みが10から2(NRS改変)と小さくなり、頚部ROMは自動で、右回旋約45°・右側屈約40°と大きくなった。
施術箇所の筋弛緩ができたが、残存する痛みとROM制限が見受けられる為、胸腰部左側の筋緊張が頚部左側の痛みとROM制限の要因と推測。触察したところ第2腰椎棘突起より外側約8cm左側に筋緊張を確認した為、筋緊張部に緩消法を約2分施術。筋弛緩を確認した結果、頚部ROMは自動で、右回旋約60°・右側屈約50°とROM制限は見受けられなくなり、痛みも10から0(NRS改変)と消失した。
頚部が痛み無く可動できる事に驚き、腰部の筋弛緩の重要性を知る事ができたとの報告を受けた。