【患者】40代後半、女性
【主訴】首周囲全体が痛くて、動かしづらい
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】約1年前、普通車助手席に乗車中、信号待ち停車中に後方から追突され受傷した。即、近医整形外科を受診。レントゲンにて異常なし。数日後より、リハビリを開始。しかし、数ヶ月間リハビリを行ったが、痛みに著明な変化なし。また、当初より鎮痛剤やシップを処方されていたが、効果がないため、だんだん強い鎮痛剤に変更になった。それでも、鎮痛効果は乏しかった。最終的には、治療効果がないため前医での治療が打ち切りとなった。知人に当院のことを聞き、来院となった。
続きを読む
【現症】当院初診時、後頚部から両側頚部にかけて痛みが残存しており、頚部は全方向に関節可動域(以下、ROM)制限あり。頚部自動ROMは、屈曲10°、伸展15°、左回旋15°、右回旋20°。触診にて、後頚部は全体的に筋緊張が高く、圧痛も複数箇所に存在。側頚部も左右とも部分的に筋緊張が高い所が存在していた。肩自動ROMに関しては、右肩のみ屈曲130°・外転160°と制限があったが、日常生活活動に支障は感じない程度であった。
【検査所見】Jacksonテスト陰性。Spurling テスト陰性。手指しびれなし。両上肢知覚鈍麻なし。前医での頚椎レントゲン・MRI
画像で外傷性変化なし。
【治療と結果】まず、頚部を自動運動させ、後頚部の中で一番痛みを感じる部分から緩消法を実施。
後頚部の中心から左右の外側にかけて実施した。2~3分ずつ、痛みの変化を確認しながら、一番痛みを感じる筋肉に対して順次実施。
最終的に、初回治療終了後(40分治療後)、痛みは10から3(NRS改変)へと小さくなった。頚部ROM制限は軽減し、左右回旋では45°可能となっていた。